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2007.08.18

東映特撮祭り2007

Momo07

夏らしい事を何もしていない、暑さに疲れてグダグダな日々に、
これはイカンと先週末に夏の恒例「東映特撮祭り」に出掛けた。
(・・・まあグダグダでなくとも観に行くけどな・・・)

今年の「電王&ゲキレン」は例年に比べて事の他好調の様だ。
初登場の公開2日間で20万人あまりを動員、興収も2億4100万円を超え、
正しく文字通りの大ヒット、最終的には15億円以上を狙えそうな勢いらしい。
前作の「カブト&ボウケン」との対比は145%と大幅に上回ったそうだから凄い。
そもそも良く映画を観に行くであろう十代後半から二十代の客は、
女性・カップルも含めて殆どターゲットには成らない映画だし、
お盆前の激戦区に於いてこの成績と云うのはかなり凄いのでなかろうか?

さて普段観に行く劇場の雰囲気とは些か違う、ガキの嬌声をBGMに、
波頭砕ける伝統の三角マークをイントロに、まずはゲキレンジャーの始まりだ。
今回のゲキレンは、はっきり言って完全に「燃えよドラゴン」である。
通常と違い、今回の敵は世界経済を裏から操る香港の大富豪「ヤン」で、
彼は或る目的の為に世界中の優れた武術家を香港に呼び寄せ、
「乾坤一擲武術会」を催し、そこで覇を競わせるので有った。
そこに呼び出されたのが激獣拳と臨獣殿のお馴染みの面々な訳である。
もうこれ完全に「ハンの島」でしょ?やってる事は石堅と同じでしょ?
これで「ヤン」の片手が義手で「鉄の爪」とか付いてたら最高なんだが・・・
そこは御安心あれ、今回のヤン役は何と大御所悪役の石橋雅史!
石橋雅史の特撮物の代表作と言えば「ジャッカー電撃隊」の「アイアンクロー」!
・・・もう痒い所に手が届くほど完璧な仕掛けである。
ちなみにトーナメントには色々とマニアには嬉しい方々が出ていて、
居合いの達人役で、アカレンジャー等のスーツアクターでお馴染みな、
伝説の新堀和夫社長の姿が観れるのも嬉しい所だ。

当然トーナメントを勝ち進んだ主役の面々はヤンの主催する晩餐会に招かれる。
流石に会場で相撲取りが廻っていたりはしないが、
ヤンの秘書役で出て来るインリンは差し詰めアーナ・カプリと云う所か?
そのトーナメントに潜り込んでいるのが、香港秘密警察・捜査官のラオファンで、
小野真弓が演じているが、これが中々ヌンチャク振り回してがんばっている。
晩餐会では早速踊り子たちが正体を現わし、インリン様が変身し戦闘が勃発、
その頃主役のジャンはラオファンを追ってお約束の屋敷の地下の捜索だ!
ヤンの犯罪の証拠を掴んだ矢先、そのヤンが現れ圧倒的な武術で襲い掛かる。
流石、石橋雅史!実際に剛柔流八段の空手の腕は鈍っていない。

そして一流の武術家の「気」を集めて最強に変身したヤンと、
ゲキレンジャー三人の、戦隊物お約束な空き地での決戦である。
テレビ版の火薬三倍増し位の勢いで炸裂するパイロをバックに、
テレビ版二倍増し位のカット割りで見せるお馴染みの「見得」と「決め台詞」。
以前も書いたが、もはや伝統芸能と呼べる領域に有る完成された「芸」である。
そしてその対決に続く巨大ロボ戦、これが今回中々味の有る物に成っている。
激獣拳と臨獣殿の「呉越同舟合体」と云うのが今回の売りなのだが、
やはり個人的には香港島の摩天楼の夜景を背景に闘うと云う部分が泣かせる。
これのミニチュアが中々良く作られていて、お馴染みの色とりどりの看板や、
工事中のビルにちゃんと竹の足場が組まれていたりして驚かされる。
更には高層ビルを手と足を使って登って行くゲキリントージャの姿が、
「帰って来たドラゴン」の梁小龍と倉田保昭の壁登りを連想させたりもする。
戦いに勝利した後の「これで世界と香港の平和が守られた」と云う台詞には、
現地にも少なからず居る特撮ファンの胸にグッと響く事だろう。

ちなみに今作「香港ロケ」と書かれているが、それらしいのはラストだけで、
後は合成ばっかりだったのが少々残念だったりする。
もう本当にラスト部分に数カットある位で、それならしなくてもとか思ってしまう。
まあそうは言ってもこの内容で30分程度なんだから密度は押して知るべきだろう。

その後に続くのが結構楽しみにしていた「モモタロスの夏休み」。
著しくキャラ化が進んでいる電王のイマジン達による小芝居短編だ。
所がこれも物凄いスピードでガチャガチャと進むのであっと言う間に終る。
何かウラの金髪に驚いてる内に話がどんどん進んで行った感じだ。
まあ特別意味がある内容では無い訳だが、
もう少しじっくり鑑賞したかったかなぁ・・・・

さて続くはメインイベント「電王」の登場である。
初日と公開週に圧倒的に人が集まったのは、かなり電王による部分が多いだろう。
それと云うのも今回の劇場版はテレビ版と完全に内容がリンクしているからだ。
これはもう本当に凄い事な訳ですよ。
今までの劇場版と言えばライダー物は大概パラレルワールド話と決まっていた。
基本的に大河ドラマ的に一年掛けて話が進行して行くライダーの場合、
制作進行上通常のストーリーに劇場版を割り込ませると色々不都合が生じる訳で、
だからこそキャラは同じながら世界観の違うパラレル物に逃げていた訳だが、
今回は完全にテレビ版と地続きで、しかも綿密にリンクする話に成っている。
所謂テレビ版で出された幾つかのお題が劇場版で解かれ、
劇場版がテレビ版に影響を及ぼすと云う相当に離れ業な事をやっているのである。
なので劇場版とテレビ版が完全にリンクするのが公開2週目位までなので、
リアルタイムで観ている人間なら、そりゃもう何としても劇場に行くしかないのだ。
これはもう本当に御見事としか言えない展開なのである。

さてこの作品、主人公は誰が何と言ってもモモちゃんである。
別に主役の良太郎の影が薄いとか云う事では無いが、
台詞の量だけ取ってみても、明らかにモモちゃんの台詞の方が多い筈だ。
モモちゃんと電王のスーツに入っている高岩氏にしても、
「劇場版は電王と云うよりモモタロスの方が印象に残っている」と言っている位だ。
そらもう冒頭から、キメるモモちゃん、怒るモモちゃん、地団太踏むモモちゃん、
走るモモちゃん、拗ねるモモちゃん、黄昏るモモちゃん、喜ぶモモちゃん、
殴るモモちゃん、蹴るモモちゃん、叫ぶモモちゃんと、モモちゃん尽くしである。
特に今回はテレビ版では中々観れない、デンライナー外での活躍が素晴らしい。
菅笠に半纏で人力車を走らせる粋なモモちゃんの姿にも痺れるが、
記憶の戻らない良太郎を案じて火の見櫓で黄昏るモモちゃんにもグッと来る。
小太郎に憑依してM小太郎に成っても相変わらずの柄の悪さが最高だし、
ミニ電王に成って小っちゃく闘う所も意外さに大うけだった。

他のイマジン連中は虜にされていた関係上余り活躍が無かったのは残念だが、
その代り良太郎は殆どジークに憑依されて傍若無人だったのが笑う。
(「おい、そこの茶坊主!」って、なんでお前は茶坊主知ってんだ?って感じだ)
ライダー劇場版恒例の「オロC」飲みも今回はジークの担当だったな。
しかしジークって確かイマジンなら小さくする事が出来たんじゃ無かったか?
そう云う事が出来るんなら戦闘の時に使えばよかったのにね。
まあ撮影は劇場版の方が先でテレビに登場する回の方が後だったそうだから、
そう云う「力」はテレビの方で思い付いたのかも知れんなぁ・・・・
しかしキチンと「鶴」ではなく「白鳥の恩返し」をする所は王子の泣かせ所だ。

Momo003


最初に写真を見た時には結構ときめいた感じが有った4タロスの屋外戦だが、
テレビ版の中で流れるシーン以外には左程見せ場が無くて残念だった。
やはりそれぞれ決め言葉を吐いてからそれなりの活躍が欲しかった所だろう。
その分の比重は4フォーム揃い踏みの部分で発揮されていた。
特に廃墟の中でそれぞれが別の敵と闘っているシーンで、
寄り気味で追っていたカメラが俯瞰に成ると、別の場所での闘いが移り込み、
今度はそちらにカメラがパンすると云う流れる様に立体的なカメラ・ワークは、
正しく複数ライダー戦闘時の伝統的なアングルでやはり最高に燃える。
戦隊に比べると伝統色が薄いライダーだが、こう云う所に伝統は息衝いている訳だ。

そして今回非常に良かったのが渡辺裕之演じる「牙王」の存在感だ。
マカロニ・ウエスタンの法則を出すまでも無く、
対する敵は強ければ強いほど、悪ければ悪いほど映画は面白くなる。
その点今回の牙王は強かった、しかもしたたかでしぶとかった。
「俺は、か~なり強い」が決め台詞のゼロノス一人では歯が立たずに、
色々な時間から良太郎を集めて来て電王4フォームを集結させた訳だが、
一撃で4フォームをなぎ倒してしまうほど牙王は強かった。
何だかんだでテレビ版の電王は結構圧倒的に強かったりするので、
余り苦戦している所を見た事が無いので新鮮である。
その点、今回はソード一人が立ち上がり、そんなの有ったのか?と云う、
「フルチャージ」二連発の末、牙王を切り伏せた最後は燃える場面だ。
例年の事ならここで恒例の強化フォームの初お披露目と成る訳だが、
それが劇場版での出来事が原因でテレビ版で初登場する展開には唸らされる。

Momo004


撮影に半日も掛らなかったんでは無いか?と云う豪華ゲストはまあ良いとして、
忍者役で「カブト」の田所さん、「響鬼」の轟鬼の出演にはニヤリとさせられる。
特にモモちゃんを見た轟鬼の「鬼だぁ~」は最高の楽屋落ちだろう。
他に牙王配下のイマジンの声優で、ライダーや戦隊OBが登場しているが、
やはりコブラ・イマジンには「龍騎」の王蛇同様イライラして欲しかった(笑)

そして劇場版ラストはオーナーによる粋な計らいに泣けるシーンが用意されている。
しかし笑うのはやはりこの姉弟にしてこの両親ありと云う感じで、
いきなり道端を爆走するデンライナーに対して、
普通に「あ、電車よ!」とリアクションするシーン。
陳腐に映るかも知れない場面だが、テレビ版で役の積み重ねが出来ているだけに、
苦笑しつつも、何処かほのぼのとした良いシーンに成っているのは流石だ。
最後にこう云う離れ業をこなしつつ、エンターテインメントとして遜色なく、
そして見事にテレビ版に還元させている脚本の小林靖子の手腕に賛辞を送りたい。

さて映画を観た後にに雑誌の劇場版スチールとかを見返していると、
結構劇場版でお目に掛っていないカットが数多く見受けられる。
(特に占拠されたデンライナー車中でのカットが多いのだが、
オーナーがナヲミに旗を持って来させるシーンとか無かったよね?)
やはりこれは来年のディレクターズ・カット版DVDへの布石と云う事なのか?

と云う訳で今回は両作品とも実に素晴らしい出来で充実した「祭り」だった。
作品の関係上、テレビ版を観ていない人に薦めると云う訳にはいかないが、
テレビ版を観ているのなら劇場に行かんでどうする?と云う作品なのは間違い無い。
・・・つうか言われなくても観に行ってるよね?答えは聞いてないけど。

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