あるラーメン屋に関する小噺
以前から某所に気に成っていたラーメン屋が有った。
最近は他でも見かける様に成ったが、所謂「坦坦麺」を看板に掲げる店だ。
基本的に辛い物は得意ではないのだが、たまに食べたくなる時が来る。
先日、某所近くへの用事の際、偶然その時がやって来た・・・・
その店は、その手のコダワリの店とは違って中身は普通の中華屋と同じだった。
入り口横の棚に並んだコンビニ・コミックの「鬼平」や「美味しんぼう」は、
変色した壁のパネル同様、汁や湿気でイイ具合にくたびれている。
ただ厨房に居る若い男女はイントネーションから大陸の人間だと云うのは解る。
入り口の所に写真入で各麺の解説が書かれていたり、
値段もそこそこだったりするから、有る程度のコダワリは有るのだろう。
ただし客の方は冴えない学生風だったり労務者風だったりとコダワリは無さそうだ。
「鬼平」を読みつつ、しばし待つ間に頼んでいた「排骨麺」がやって来た。
とりあえず汁を一口啜る・・・・・・!!!
そして麺を箸でたぐる・・・・・・・!!!!
こ・・・これは!!!!
・・・いや特別に美味かったとか、信じられんほど不味かったと云う訳ではない。
トータル的に味が余りにも「現地の」と云うか「大陸の」の味だったのだ。
ラーメンと言えば大陸から渡来して来た物の一つとしてお馴染みだが、
その他の渡来物同様に日本に来てから独自の進化を遂げている訳だ。
なので大陸及び中華圏にはじめて出掛けた人間が「本場のラーメンを味わうぞ!」
等と意気込んでいると非常に拍子抜けした事に成る。
明らかに現地の麺類と日本の各種ラーメンは別物なのだ。
それは香港や台湾などで日本のラーメン屋がかなり人気が有る事からも解る。
どちらが美味いか?と云うのは各々個人的な領分の問題だが、
大陸の麺類は、麺にしろ汁にしろかなりプリミティヴで味にパンチが有る。
素材の主張が激しい味、とでも言おうか?
日本のラーメンはやはり麺も汁も繊細で洗練された感じが有る。
素材がでしゃばり過ぎない調和の取れた味わいが特徴だと思う。
そして何よりも弾力の有るちぢれた麺が特徴的だ。
勿論これは物凄く大雑把な分類で例外的な物もそれぞれ多いだろう。
しかしその店で出て来た「排骨麺」は完全に大陸の味と麺だった。
勿論、頑なに大陸の味わいを残した店と云うのも有るだろうが、
やはり日本人相手に商売するならこの味は余りにもトゥー・マッチ過ぎる。
客筋はどう見ても日本人ばかりだし、中華街が近くに有る訳ではない。
日本人の舌に迎合せずにこの店を続けているとは凄いなぁ・・・・
等と思いつつカウンターに置いてある笊の中からゆで卵を取り出して殻を割った。
・・・・いやこの店週末を除いた隔日でゆで卵が喰い放題なのだ。
「喰い放題」だとか言われても4個も5個も喰えねえよなぁ・・・・
等と思っていたら目の前の学生が3度目の御飯のお替りを頼んでいる。
・・・・いやこの店連日御飯のお替り自由なのだ。
( ゚Д゚)ハッ!
この店は辛い汁で飯をお替りし、ゆで卵で腹を膨らます様な連中でもっているのか!
大陸の味関係ね~ぢゃん!・・・・まぁそんなもんか実際は・・・・
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