
ちなみに画像に写っている紙の拳銃は別のアイテムからの物です。
久し振りの「発狂寸前」アイテムの御紹介である。
主要な所が出尽くした感も有る最近の紙ジャケを巡る状況は、
「わざわざそんな物まで紙ジャケ化する必要無いんじゃないすか?」アイテムと、
「こんな物出して誰が買うんすか?」的なアイテムに分けられる。
前者は明らかにCD全盛期に活躍していたバンドの再発アイテムとかで、
後者が正しく今回紹介する「クランプス・シングル・ボックス」等である。
これは所謂シングル盤を8cmシングルCDの紙ジャケにした物である。
シングルCDのボックスと云うのは特に目新しい商品形態では無いし、
その紙ジャケ版と言えば同じイタリアのニュー・トロルスのが出てたりしたが、
レーベル単位の紙ジャケ・シングルBOXと云うのは相当珍しいのでは無いだろうか?
それもよりによってクランプスのシングルBOXとはまた・・・・
クランプス・レーベルはイタリアのプログレ・ファンには避けて通れない路で、
アレア、アルティ・エ・メスティエリ等の大看板を擁したレーベルである。
フランケンシュタインの怪物を使った印象深いロゴマークと供に、
何処か強烈にアクの強いイデオロギーを感じさせる独特の雰囲気がある。
まあそう云うアクの強さは偏にアレアと云うバンドの存在感による物だが、
そもそもクランプスはアレアを世に出す為に創られたと云う側面が有るから、
そう云う印象を抱くのもあながち間違いでは無いのだろう。
世界中に有ったその他のマイナー・レーベルと同様に、
クランプスはオーナーのジャンニ・サッシの個性が強烈に反映されたレーベルだ。
アレアやアルティの様なロック・バンドはレーベルのほんの1部で有り、
その他には大量の前衛・現代音楽のバックカタログを残している。
日本での発売権を持つストレンジ・デイズがカタログの紙ジャケ化を始めた時、
よもや!と思ったのがその前衛・現代音楽シリーズも紙ジャケ化した事だ。
只でさえCDが売れなくなったと言われて久しい昨今、
何でまたこんな売れなさそうな物を、しかも紙ジャケ化するか!
と誰もが思う訳だが、それに輪を掛ける様にシングルBOXの登場である。
狂ってるなぁ・・・誰が買うんだよ・・・・まあ・・・俺か・・・
そもそもクランプス・レーベルのBOXと言いつつもクランプスのバンドは、
アレア、アルティ、エレクトリック・フランケンシュタインの三つで、
オパス・アヴァントラの2枚はそれぞれ別のレーベルから出された物である。
何でここでオパス・アヴァントラが出て来るのかと云うと、
クランプスの現在のオーナーがオパスのアルフレード・ティゾッコだからだそうだ。
しかしこれが有る意味結構重要な保険に成っていると云うか、
アレアのレアなシングル・ヴァージョンだけでもマニアは買いだろうが、
そこにこちらも激レアなオパスのシングル・ヴァージョンが付くとなれば、
マニアが避けて通れぬ筈は無いと云う状況に成るからだ。
内容はアレアとオパス・アヴァントラが二枚のシングル、
アルティとエレクトリック・フランケンシュタインが一枚ずつで計五枚のディスク。
そしてアレアの復刻版ポスターにミニ写真集がオマケに付いて来る。
個人的にはアレアの写真集と云うのが非常に嬉しいアイテムで、
政治集会でよく演奏していたと云うのが解るカオテックなステージ写真や、
珍しいオフ・ショットなども載っていて興味深い。
そもそも米英のバンドと違って伊のバンドの写真は中々見る事が出来ないし、
アルバムにバンド・フォトが載っていないバンドなど面子の想像も付かない訳で、
こうして写真がまとめて見れると云うのはファンとしても嬉しい限りだ。

音の方だが、フランケンシュタインとオパスの一枚はアルバム同様の音源だが、
アレアの一枚とアルティのB面曲はレアなシングル・エデットに成っている。
そして中でも目玉は世界初CD化のアレアの「インター」だろう。
所謂、社会主義運動の主題歌としてお馴染みの「インターナショナル」な訳だが、
アレアは集会での演奏ではラストによく演奏していたそうで、
ライブ版なら「アレアッツィオーネ」にも収録されてはいるのだが、
スタジオ版は今まで聴いた事が無かっただけに嬉しいCD化である。
そしてオパス・アヴァントラのもう一枚は、アルバムでは参加していなかった、
名花ドネッラ・デル・モナコが後に歌を入れ直した別バージョンで、
本国にて限定盤で出た事は有るが国内盤では勿論始めての登場である。
限定1000セットの発売と云う事だが、それでも売れるんだろうか?
売れるんだろうなぁ・・・同じ様な酔狂者が買って行くんだろう。
元々紙ジャケ自体フィギュア的な物だが、これは更に輪を掛けてフィギュアな物だ。
一々聴く為にシングルCDを出し入れするのも面倒な話だし、
多分、音源自体はまとめてCD-Rにでも焼いて聴いたりするだろうから、
フィギュア的な楽しみ方の出来ない人間には本当に無用の長物だろう。
しかしこう云う箱庭的な世界は日本人好きだよなぁ・・・・

紙ジャケの「アルバム」と「シングル」の大きさの比較