「ファーストフード・マニア」Vol.1
亜細亜圏に行った時の楽しみの一つとしてパチ物探索が有る。
勿論パチ物などには何の興味も無いと云う人も居るだろうし、
現地の人間に「パチ物を探している」とか言えば大概イヤな顔される。
何を隠そうこの日本も数は少なくなったが有数のパチ物王国なのだが、
殆どの人間は馬鹿高い海外ブランド物を嬉々として所有する国民な訳で、
そう云う人に外人がパチ物の話をしても嫌がるのは目に見えている。
日本人の場合国民性か、パチ物を作っても妙に凝った物を作るので、
本物より品質的に勝ると云う、逆転現象を生み出したりするが、
他の亜細亜圏の場合「とりあえず体裁だけ整えてみました」的な、
或る意味暴力的なまでに無意識過剰な商品が溢れているのがたまらない。
それを面白いと思って見るか、下らないと思って見るかは個人の価値観だが、
その発生や経緯を含めて考えてみるとこれほど面白い物は中々無いと思う。
パチ物魂は何も商品だけに宿るのでは無い、色んな所に宿る物なのである。
その一つの形が欧米や日本のチェーン店に便乗したファーストフードの一群だ!
今回御紹介するのはそう云った発狂寸前の外食チェーン店を取り上げた本、
「ファーストフードマニア Vol.1中国・台湾・香港編」である。
取りあえずは表紙を飾るパチ店舗の極北「麦肯基(マッコンキー)」で仰け反れ!
マクドナルドとケンタッキー・フライドチキンの中国名である、
「麦当労」と「肯徳基」を足して2で割らない力技過ぎる店名も凄いが、
何か悪い注射を打った様に顔色の良くないその店のマスコットも不気味だし、
ヌケが悪そうで、かつ「そつ」が有りまくる雰囲気の店内風景も最高だ。
良く漫画の中に「ケンタナルド」みたいなそれ風の店が出て来るが、
そう云う物が広い中国には30店舗ほど有るらしい・・・すごいなぁ。
実際に世間的に知られたCIであるマックの赤地に黄色の「M」マークとか、
ドトール・コーヒーの緑地に白い丸で囲まれたマークなどはパクり易い様で、
それっぽい店がこの本の中にも何店か紹介されている。
その他に日本人は誰も知らない牛丼専門店の「吉田屋」、
香港では昔から有名な「元禄寿司」ならぬ「元緑寿司」等々・・・
個人的には、黄色いトラックスーツを着た世界的に有名な「あの人」が目印の、
「真功夫」と云う店には衝撃受けた、これは普通言い逃れ出来んだろう。
「いえ、これはブルース・リです」とか「ドラゴン・リーです」とか、
『クローン人間・ブルース・リー』みたいな言い訳されたりするかも知れん。
(それはそれでそう云う対応されたら或る意味「神」だが・・・)
とは云え1冊総てそう云う店ばかりで埋めるほどイイ玉が有る訳でもなく、
そう云う店も取り上げつつ、各国の外食産業事情をレポートした本に成っている。
現地気質を良く理解した、対象を小馬鹿にし過ぎない語り口が中々楽しいが、
実は結構詳細なデーターとかも記されて、投げっ放しでない姿勢に好感持てる。
本書の為の店舗ゲリラ撮影の裏話など涙無しには(笑)読めない。
中華圏と言えばこう云う外食産業系の店より、安くて美味い屋台なども多い筈だが、
やはり現地の人間も少しは洒落た環境と味わいを求めているのだろうか?
ただ未だにカオティックな様相を示す大陸の状況に比べると、
香港や台湾の外食産業はそれなりに落ち着いて日本と左程変らないし、
日本産の寿司屋やラーメン屋も多く進出しているので余り新鮮さは無いかも。

本書には載っていないかったが台北に有るお馴染み「CoCo壱番」
普通に2泊3日のパック旅行などで中華圏に出掛けた様な場合、
わざわざ日本にも有るファーストフード店に出掛ける事など無いとは思うが、
実際に店に入ってみると日本とかなり違っていたりして驚かされる事が有る。
昔、牛丼をこよなく愛する男と連れ立って旅行していた頃は、
行った先に吉野家が有れば必ず入っていた。
香港に行った時にトラムの車中から目ざとくオレンジの看板を発見した奴は、
躊躇無く下車して金鐘の先に有った吉野屋に駆け込んだ。
そこで驚いたのが香港の吉野家はどちらかと云うとファミレス風なのだ。
カウンター席のみでひたすら食うだけに徹する日本の吉野屋とは違い、
ボックス席が殆どで、メニューはドリンク他付きのセットメニュー中心、
更にはチキンを使った日本には無い丼が有ったりして驚かされた。
本書にも出て来る香港好きならお馴染みの「大家楽」や「大快活」も、
香港映画で使われたりしていたので好奇心そそられて喰いに行ったものだ。
まだ気持ち悪いピエロマークを使っていた頃だったが、微妙な味だったなぁ・・・
笑ったのが台湾の「爭鮮回転寿司」が店のCMのキャラクターに、
台湾で微妙に人気の有るアイドルグループ「黑澀会美眉」使っている話。
(「黑澀会美眉」は本書の表現を借りればモー娘。とAKB48の中間の様な存在)
主にCM等で活躍していると云うのを聞いていたが、成るほどこう云う感じなのね。
そう云う所も台湾はキッチリ日本のノウハウを呑み込んでるなぁ・・・・
さてこの本これを第1弾として「東南アジア編」「アメリカ編」「ヨーロッパ編」
「中東・アフリカ・オセアニア編」「韓国編」「日本編」と予定してるらしいが、
続けられるんか?これ。つうかそんなに世界中に面白いタマは有るのか?
まあ面白そうなのは東南アジア・韓国・日本辺りに成りそうだが・・・・
| 固定リンク
トラックバック
この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/47596/40592538
この記事へのトラックバック一覧です: 「ファーストフード・マニア」Vol.1:


コメント