クライマックスが止まらない電王の世界
「あれ?電王ってもう放送終ったんじゃなかったっけ?」はい、その通り。
「番組終ったのにまだ何かあんの?」・・・・あるんですよ、これが。
番組終ってかれこれ3ヶ月近く経つのに未だにクライマックスなんですよ、これが。
色んな意味で前代未聞な始まり方をした「仮面ライダー電王」なのだが、
その前代未聞な状態が番組終了後も途切れる事無く続いている。
その際たる物が番組終了直後のVシネ制作→Vシネの劇場公開と云う事態だ。
有名俳優を起用した連ドラの映画化なら昨今珍しい事は無いが、
夏休みの定番枠以外で、終了した子供番組の新作上映は明らかに有り得ない話だ。
しかも中規模上映とは云え一応130スクリーン前後の全国公開レベルで有る。
幾ら夏の劇場版でヒットを飛ばした作品だからとてそんなに美味い話が・・・・
有ったのである・・・何と初公開週の興行成績のトップを持って行ったのである。
強敵「クローバーフィールド」を相手に12、13の2日間で興収1億9000万円弱。
ハリウッド・メジャー相手に仮面ライダーが競り勝つとは何と痛快な話よ。
公開2週目に劇場に出掛けたが、既に夜の時間だと云うのに結構な客足で、
そう云う点も踏まえているのか、スクリーンもかなり大きなハコを使っていた。
さて平成ライダーの夏の劇場版はテレビシリーズとの兼ね合いも有って、
従来「パラレル・ワールド」的な話が採用される事が多かったが、
電王の劇場版はテレビ版とリンクした離れ業を見せて驚かせてくれた。
その点で言えば、今回の「クライマックス刑事」は後日談として語られる物の、
従来通りの「パラレル・ワールド」物として観れる作品なのが面白い。
但し「悪ふざけ」と「悪ノリ」が極端に過剰に成っている所が電王らしいが・・・
とにかく「好きな奴しか観に来ないだろう」的な、
コアなファンのみに向けたお約束の釣べ打ちの如き展開は清々しくさえある。
とは云え冒頭のカーチェイスから銃火器の派手な応戦、生身やスーツにコハナ、
果てはCGでの激しいバトルと気の抜けないアクション作品に仕上がっている。
ついでに話のテンポも軽快だし、密度の濃いくすぐりが多数用意されているので、
正直一度観た位では細部にまで眼が廻らないのが難と言えば難か?
まあその代りDVD化した時には舐める様に楽しめる作品では有る。
そんな中で印象に残ったシーンを幾つか挙げると、
「究極の悪の組織」結成を目論む今回の悪の親玉ネガタロスなのだが、
壮大な目標の割りには意図も行動も何処か妙にふわふわしていて、
「基本的にイマジンは馬鹿」と云う図式をちゃんと踏襲していて笑えた。
笑えたと言えばイマジン連中よりノリノリなオーナー(・・・いやデカ長か)が、
誤認逮捕して来た連中で収拾が付かなくなっている署内を鎮圧する為に、
デンガッシャーを駆使してチャーハンの旗で始末を付ける所なんざ最高だった。
そう云うドタバタと馬鹿騒ぎの結末に、ちゃんとゲストキャラの為に用意された、
時間を巡る泣かせのエピソードが盛り込まれている所が脚本のニクい所である。
そしてTVシリーズを観て来た人間なら誰もがほのぼのとしてしまうのが、
実体化したリュウタが始めておねえちゃん(愛理)と遭遇するシーンだろう。
いざと成ると恥ずかしくなって逃げ回るリュウタに弁当を手渡す愛理、
その後楽しそうに弁当の中身を品定めするリュウタが実に可愛い。
このシーンの為だけでも劇場に観に行って損は無い。
さてそんな映画の特集本として出されたのが「DEN-O CLIMAX!!(+KIVA)」。
重版に次ぐ重版で売れまくった「DEN-O PERSPECTIVE」の編集者が制作した本だ。
劇場版の豊富な写真も満載だが、やはりインタビュー記事の充実が嬉しい。
主要キャストは当然として、ゲスト出演者に声優、中でも面白かったのが、
「DEN-O PERSPECTIVE」で談話が載らなかった金田監督のインタビュー。
監督自身がコハナのアクションを強く希望していたのか・・・とか、
この仕事の長い監督でも電王の場合は上がって来る画が想像出来なかったとか、
中々読み応えの有るインタビューに成っている。
それから「電王」に「モモちゃん」、更には「キバ」も演じている、
スーツアクターの高岩さんのインタビューも中々に興味深い。
「キバのスーツを着ていても中々モモちゃんのしぐさが抜けなかった」と云う、
長いライダー生活の中でも中々無い体験をした話には唸らされる。
まあそうだろう、それだけモモちゃん自身が高岩さんだったと云う事だろう。
劇場版のパンフも良いけどパンフよりもお得なこれも是非。
で、この劇場版の主題歌扱いで発売されたのが、便乗商売もここまで!と唸る、
イマジン声優の皆さんが歌う「Double-Action CLIMAX form」。
今回もエイベックスの鬼商売が炸裂したデネブ入れてのジャケ5種類発売で、
DVD付きなので単価は更に倍、コンプする人間は地獄を見る1枚である。
しかし実際に売れるものは売れるだけ搾り取ろうとするのは商売の基本な訳で、
この作品もオリコンのデイリーで3位、週間で4位、の衰えぬ売り上げだ。
更にその前に出たジークと良太郎の「Double-Action Wing form 」に関しては、
週間では5位だったがデイリーでは確かキバの主題歌を抜いていた筈。
と云うか終了した番組のしかもゲストキャラの挿入歌でこの売り上げって・・・・
さて映画関係以外に前回紹介した以降も電王の本は続々と発売されている。
まずはかなり究極のマニア・アイテムと言えるB4サイズの巨大な写真集、
「仮面ライダー電王メモリアル また会おうぜ!」(小学館刊)。
児童誌「てれびくん」編集の、所謂スチール写真を集めた写真集な訳だが、
とにかくそのサイズの大きさと贅沢な写真の使い方に唸らされる1冊だ。
B4サイズ見開きで展開される写真の迫力は正にクライマックスな感じだし、
放送順に構成されたページ展開とカメラマンのコメントも一つ一つが泣かせる。
キャラが増えた時やイベントの時に撮られる食堂車での集合写真、
「てれびくん」全プレDVD撮影時のレアなカットの数々、
食堂車最後の撮影時にスーアクさんに頼まれて撮ったと云うイマジン達のカット、
中でも構成に唸らされたのが41、42話の撮影スチール。
侑斗と翔子のデートシーンのカットの中にポツンと混ざる膝を抱えたデネブの写真、
そして次のページで夕陽を背にゼロノスと座り込む翔子のカットバック、
あの回の切なさを見事に表現した構成に作品への愛をひしひしと感じる。
そして奥付の所にミルクディッパーに飾られたリュウタの書いたおねえちゃんの画、
表紙の折り返しには最終回に尺の関係でカットに成ってしまった、
未来の娘に時計を渡す侑斗と、デンライナーを見送った後に店に戻る良太郎と云う、
実にレアなカットがさり気なく配置されている。
更にはカバーを外した本体の表紙にはコラージュされた敵イマジンとの戦闘カット、
等々細かい所まで丁寧に創られた本で是非一度手に取って欲しい1冊だ。
そして表紙の主役二人がアイドル写真風で少々ひける所が有る、
「仮面ライダー電王 キャラクターブック」の第二弾(朝日新聞社刊)。
知り合いは表紙と前半のカラーグラビアで買う気を喪失したらしいが、
後半のモノクロページに実は中々読ませるレアなインタビューなどが多い。
特にオーナーの石丸謙二郎のインタビューなどはかなりレアな1本だと思う。
他に脚本の小林靖子の声優との対談や単独インタビューも読ませるし、
スーツ・アクターの皆さんの対談は電王チーム、ゼロノスチーム供に面白かった。
キンとウラの別れのシーンにはそれぞれ演じていた次郎さんと永徳氏が、
各々アックスとロッドのスーツに入ったと云う話なんぞは非常にイイ話だ。
さて最後はDVDの話、先日ようやく待望の、
「 仮面ライダー電王 ファイナルステージ&番組キャストトークショー」が出た。
イベント直後から伝説化しているファイナルステージのDVD化である。
まあとにかく、このステージの出来が半端では無い、ファンなら絶対に泣く。
基本的にお子様も楽しめるキャラクターショーのお約束は不足無く絡めながら、
キャラクターとして起ち過ぎるほど起っている連中が如何なくキャラ性を発揮した、
文句無しの内容で、それもその筈脚本は本編の小林靖子が担当しているのだ。
話としては、劇場版で良太郎が記憶を失いモモと心が離れた事を受けて、
今回はイマジンたちが記憶を失う事で良太郎との絆を確認させる話に成っている。
前半のいい加減な仕事っぷりと、記憶を無くしてからの真面目な仕事っぷりが、
イマジン連中らしい緩急の付いた動きで楽しませてくれる。
トリッキーなステージ上での電王全フォーム+ゼロノス揃い踏みは燃えるし、
一呼吸置いてからの怒涛のラストへの雪崩込みは最強のクライマックスだろう。
正直「クライマックス刑事」よりテレビ版本編に近い感動が味わえるステージだ。
これは生で見たらタマらんだろうなぁ・・・・
勿論2日間に渡って行われたキャスト&声優のトークショーも面白い。
普通に喋っていると、間違いなく年齢相応の女の子なのだが、
シーン再現コーナーで台詞を口にすると途端にコハナに成る松元環季に驚くし、
妙なテンションで脱線しまくる中村優一とカイ役の石黒英雄に対して、
妙に落ち着いて軌道修正して行く佐藤健の達者な進行振りが面白い。
声優組の方は流石に皆さん達者なトークでチームワークも良く楽しめる。
個人的には鈴村健一が、一視聴者の段階で電王の話を聞いた時に想像した、
吊革でゆられる電王の姿と、関俊彦の声で「俺参上」聞いた時の衝撃話にウケた。
前回のトークショーのDVDもバカ売れしただけに今回も相当売れそうな感じである。
と云うかステージの詳細聞いちゃったらファンなら当然買うだろう商品だよなぁ。
DVDに関しては来月に夏の劇場版のファイナルカット版が出るし、
何とこれまた前代未聞ながら長石監督が手掛けた最終回に掛けての三話が、
未放送マテリアルを含めた特別編で発売される。
最終回は先に書いた侑斗とコハナやミルクディッパーのラスト以外にも、
リュウタのスーアクのおぐらさんが渾身の演技したと云う、
食堂車に於けるナオミとリュウタのシーンなど美味しいシーンが沢山切られている。
その辺のマテリアルが復活すると云うのは物凄く嬉しい話だ。
そしてハイターゲット向けに発売されるフィギュア関係もクライマックスである。
唯一出ていなかった装着変身のテンコ盛りフォームがネット限定で発売されるし、
細かなイマジン・フィギュアも相変わらず出続ける様である。
そして出来が凄まじいメディコムの「ProjectBM」の電王とモモタロス。
色々と問題の多いメディコム製品だが試作品は流石に凄い、値段も凄いが。
モモちゃんは電王購入者が添付の葉書で申し込むシステムの物だが、
う~む流石にこれは右から左へ購入決定と云う訳にはいきまへんわな。
更に先日の「魂ネイション展」で発表されたSICシリーズでの電王の発売だ。
試作品を見た時は正直微妙な感じだったが着色されるとこれが中々悪くない。
今回はソード・フォームにモモちゃんが付く形式で発売されるのだが、
そのモモちゃんも装着並に可動する様だし、顔も3種付くと云う事で期待大である。
しかし各フォームにイマジン1体で出る場合、一体何個出すつもりなんだろう。
当然5個は確実に出るとして、ウィングとジークはリミテッド扱いなのか?
テンコ盛りとライナーはどうなるんだ?とか先々の事を考えて戦々恐々である。
番組終ったッつうのに今年もまだまだ電王に金を投下しなければいかんのか・・・
最後にこの前出た「Double-Action CLIMAX form」にこんな歌詞が出て来る。
「同じ時を重ねた日々 最高の夢を見てた
終らないぜ Double-Action この出逢い忘れない」
勿論イマジン連中が良太郎との日々を回想した歌詞に成っている訳だが、
同時にそれは番組を追い掛けていった視聴者の想いにも通じる歌詞だ。
最高の夢だった・・・出来ればまだまだクライマックスが続く様に・・・・
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