« 2015年1月 | トップページ

2015.02.27

Soft Rock Best Collection 1000

Softrock01

昨今のソフト売り上げ減少の折、Jazz、Brasil、Funk等のシリーズに続き、
ユニバーサルが御送りする財布に優しい旧譜廉価版シリーズに、
目出度く「Soft Rock」のシリーズが加わった。

「Soft Rockかぁ・・・渋谷系にハマっていた頃を思い出すわなぁ」
と云う今は無きHMVを偲ぶようなかつてのオサレな皆様から、
「Soft Rock?ナニそれ、美味しいの?」と云うお若い皆様まで、
お手頃な価格で基本からレアアイテムまで揃えられる今回の再発、
そろそろ店頭から消え始めている盤も有るらしいが是非チェックである。

そもそもエクストリームな音楽を中心に聴いて来た己の如き人間には、
こう云った中庸を旨とした爽やかな音楽は嗜好の対極に有った筈なのだが、
齢を重ねると供にこう云った音楽が不思議と心地良く感じる様に成り、
果てはBert KaempfertやらEnoch LightやらRay Conniffなんぞと云った、
所謂イージー・リスニング辺りにまで手を出す様に成るから解らない。
まあ昔は「洋楽のヒットチャート」と云うザックリとした括りで、
硬軟問わずに色々な音楽を聴き始めたのが最初な訳だし、
モンキーズのシングルを買っていたガキの頃に戻ったと云う所だろうか。

さて今回リリースされる50枚をざっと見回して見ると、
バート・バカラック、ママス&パパス、クローディーヌ・ロンジェ、
この辺はSoft Rockと括らなくとも基本的なアイテムだが、
案外聴いていない、もしくは持っていないアイテムだったりするし、
ロジャー・ニコルズ&ザ・スモール・サークル・オブ・フレンズとか、
レフト・バンク、パレード、エイス・デイ辺りはこの界隈の基本作だろう。
何度も再発している割に、気が付くといつしか市場から消えていたりするので、
名曲中の名曲「いとしのルネ」を収録したバロック・ポップを冠した典雅な1st、
ヒット曲は出なかった物のソングライティングに磨きが掛かった2ndと、
買い逃していたレフト・バンクの二作は早速購入した次第。

Softrock10

他にSoft Rockと云う括りで再発された当時に聴いた思いで深い作品は、
キースとスパンキー&アワ・ギャングのベスト盤二枚。
どちらもボビー・ヘブの「Sunny」をヒットさせたジェリー・ロス絡みの作品で、
キースの盤はベストと云うより彼の全曲集と云う趣の決定盤で、
ドリーミーでキラキラした高品質な産業ポップが満載だ。
一方スパンキーズはジャグ/ヴォードヴィル辺りをルーツとした実力派であり、
変幻自在のコーラスワークと粋なアレンジで聴かせる奥の深い音楽性を持ち、
アルバム単位のクオリティも素晴らしいが、まずはこの珠玉の傑作集を。

Softrock04

ちなみに個人的にこの界隈の音に接近し始めたきっかけは、
英国の60年代頃の作品を掘っている時にFoundationsの再発を手にした事による。
そこでトニー・マコウレイとジョン・マクレオドの仕事に注目する様に成り、
Flying MachineだのPickettyWitchやPaper Dolls辺りを聴く様に成り、
Edison Lighthouseでトニー・バロウズと云うシンガーを知るに至り、
彼絡みでFlower Pot Menやホワイト・プレインズを遡って行った。
と云う訳で今回の再発では英国産産業ポップス最高峰の一つである、
心浮き立つ様なホワイト・プレインズの全曲集も非常にお薦めだ。
他に英国物だとSoft Rockと云うよりはポップサイケの文脈で語られるが、
ニルヴァーナUK(勿論カート・コヴァーンとは別の)の諸作も素晴らしい。
英国ロックファンとしてはキーフの幽玄なジャケの「局部麻酔」が有名だろうが、
Soft Rock的にはセカンドの「オール・オブ・アス」が必聴だ。
この辺は紙ジャケで再発した折に揃えているが久し振りに再発なので是非。

Softrock05

今回お手頃なので改めて入手した作品はクラッシック・フォーと、
ニュー・コロニー・シックスのベスト盤、
そしてアラン・コープランドのコンスピレイシーとシンガーズの二枚。
かのアトランタ・リズム・セクションの前身であるクラッシック・フォーは、
実にムーディーで黒っぽい仕上がりのサウンドが艶やかでたまらない物が有り、
ヒット曲「Spooky」や同系列の「SoulTrain」(MFSBのアレではない)も良いが、
後のAOR的とも言える「Traces」や「Midnight」等の激甘なサウンドに痺れる。
そして今回「このアルバムもこんなにお安く成ったのか!」と小躍りしたのが、
一部でカルト的な人気が有る、アラン・コープランドが手掛けた二枚。
この二作はどちらもアレンジャーである彼が編成したプロジェクトで、
当時のヒット作をアレンジの妙で聴かせる所謂イージーリスニング盤なのだが、
そのアレンジの巧みさと複雑なコーラスワークが実に心躍る作品なのである。
そして彼の存在が独特なのはトリッキーなその手法にも有って、
アルバムには未収録ながら68年のグラミーを受けた彼の受賞作は、
「スパイ大作戦」のテーマとビートルズの名曲を巧みに融合した、
「Mission Impossible/Norwegian Wood(Medley)」と云う珍・・・いや傑作なのだ。
そんな妙味が味わえるのがシンガーズ名義の作品の冒頭に収められている、
「Classical Gas/Scarborough Fair」だ。
サイモン&ガーファンクルのあの曲と全く別のヒット曲を融合させているのだが、
単に繋いでいるのでは無く、今で云うマッシュアップしている所が実に見事。
そんな飛び道具だけでは無く他の曲もムーディーで華麗なアレンジが唸らせる。
コンスピレイシーの方はビートルズ、アソシエイション、フランキー・ヴァリ等、
お馴染みの曲が聴けるが中でもラテンの古典「フレネシー」が正に珠玉の出来。
余り知られていないがソフト・ロックが好きなら冒険しても損の無い作品な筈。

Softrock09


| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2015年1月 | トップページ